成城学園前駅エリアを楽しむ!
東京23区で一番人口の多い世田谷区には、
下北沢や二子玉川、三軒茶屋などの商業地がありますが、
その9割以上が閑静な住宅地です。
なかでも成城地域は都内でも屈指の高級住宅地として知られています。
今回は緑が多く文化の香りに包まれた成城学園前駅周辺を散策します。
撮影協力/世田谷区、成城コルティ、世田谷美術館分館清川泰次記念ギャラリー、一般財団法人世田谷トラストまちづくり、樫尾俊雄発明記念館
案内人/世田谷区砧総合支所・井口佳織さん、寺迫晃良さん ※新型コロナウイルス感染症予防対策を行い、ソーシャルディスタンスを保ち撮影を行いました。
①イチョウ並木
成城6丁目(成城学園前駅入口交差点から成城学園まで)
成城は日本の学園都市の先駆け
武蔵野の自然が残る成城の街は、西に野川、東に仙川が流れる国分寺崖線上の高台に広がっています。成城学園をはじめ多くの学校が置かれ、雑木林を切り拓いて理想の学園都市を目指して開発されました。いち早く居住した柳田國男が「生垣協定」を指導するなど、先進的街づくりを行った結果、成城には政治家や芸術家などの著名人が数多く移住し、文化的なまちとして知られるようになりました。
成城学園の正門から東西に延びる通りには約120mにわたってイチョウ並木が続いています。この樹々は、大正14年(1925)にこの地に引っ越してきた成城学園の学生たちが植えたもので「せたがや百景」にも選ばれています。
②サクラ並木
成城6丁目から7丁目付近まで
イチョウ並木から北へ向かって約600mにわたって続くサクラ並木は、田園調布などをモデルにして植えられたもので「せたがや百景」にも選ばれています。
③成城コルティの屋上庭園
世田谷区成城6-5-34
屋上に広がる空中庭園
小田急線・成城学園前駅直結の「成城コルティ」。4階の屋上の東側には「雑木林の丘」、西側には「オリーブの庭」があり、自然の光と風を取り入れたくつろぎの空間となっています。
開館時間/ショップ10時~21時、レストラン11時〜22時30分
定休日/不定休
※詳しくは、ホームページをご確認ください。
雑木林の丘
武蔵野の雑木林をイメージした木立の庭で、新緑や紅葉など季節を感じることができます。庭園の上から小田急線の車両を眺めることができ、子どもたちに大人気。遠くに目を移せば、東京タワーや東京スカイツリー®︎を望むことができます。
オリーブの庭
オリーブや草花などが植えられた西洋的な庭園にはベンチが置かれ、ゆったりと過ごすことができます。晴れた日には富士山や丹沢の山々が一望できます。
④仙川遊歩道
いこいの遊歩道
仙川沿いに整備された遊歩道。川沿いには、懐かしいわらべ歌と可愛らしいイラストが描かれているイスが所々に設置されています。春になると遊歩道に沿って咲くサクラ並木は見事で、多くの花見客で賑わいます。仙川には、カルガモなど野鳥の姿が数多く見られ、バードウォッチングも楽しめます。並木の美しさだけでなく、仙川の川面に映り込んだ景色も見所。期間限定でライトアップもされるそうです。
⑤成城の富士見橋
世田谷区成城4丁目と5丁目の間
富士山の絶景スポット
小田急線に並んで架かる成城の富士見橋、不動橋は国分寺崖線の斜面の上にあり、都市部の中でも珍しく富士山が良く見え、「せたがや百景」「関東の富士見百景」に選定されています。毎年2月の初めには、運が良ければ太陽が富士山頂にかかる「ダイヤモンド富士」を見ることができます。
富士見橋には写真撮影用のフレームが設けてあり、額縁のように富士山が撮影できます。
⑥不動橋
世田谷区成城4丁目と3丁目の間
富士山の見える方角に向かって石の椅子が置かれています。
⑦世田谷美術館分館 清川泰次記念ギャラリー
世田谷区成城2-22-17
独自の抽象表現を追求した 清川泰次氏の作品を展示
世田谷美術館分館で閑静な住宅地にあるギャラリー。「もの」を写すことにとらわれない、独自の抽象表現を追求した清川泰次氏の住居兼アトリエだった場所に、平成15年(2003)オープンしました。清川泰次氏は絵画のみならず、ステンレスによる彫刻やハンカチ、ティーカップといった生活用品のデザインまで幅広くてがけました。芝生が広がり、草花が咲く明るい庭に囲まれたモダンな建物の中には、区民ギャラリーも併設されています。
開館時間/10時~18時(入館は17時30分まで)
休館日/月曜日(休日の場合はその次の平日)、年末年始、展示替期間
観覧料/一般200円、大学生・高校生150円、中学生・小学生100円、65歳以上・障害者100円
清川泰次氏の作品や旧蔵資料などを展示
「清川泰次 色をめぐって」
(2022年10月1日〜2023年3月12日)の展示風景
「清川泰次 絵画とテキスタイルデザイン」
2023年4月1日(土)〜9月10日(日)
期間中、7月17日(月・祝)は開館、7月18日(火)は休館 。 世田谷区内在住・在学の小・中学生は土、日、祝・休日、夏休み期間は無料。
詳しくは、ホームページをご確認ください。
世田谷美術館世田谷区砧公園1-2
砧公園の一角にあり、世田谷区在住や区にゆかりのある作家の作品を展示しています。またアンリ・ルソーを代表とする素朴派の作品や北大路魯山人のコレクションも収蔵しています。
詳しくは、ホームページをご確認ください。
⑧成城みつ池緑地
世田谷区成城4丁目
豊かな自然が残された貴重な緑地
国分寺崖線上にある成城みつ池緑地は、公開エリアと非公開エリアに分かれています。 非公開エリアの一部は、神明の森みつ池特別保護区に指定され、区内でも豊かな自然が残された貴重な緑地です。年に4回自然観察会でのみ公開されています。
公開エリアとなっている案内表示のある広場には、成城のシンボルである大きなヒマラヤスギがそびえています。
⑨旧山田家住宅
世田谷区成城4-20-25
成城みつ池緑地の上に建つ洋館
昭和12年(1937)頃にアメリカで事業を成功させた実業家・楢崎定吉氏の邸宅として建てられたアメリカ風の住宅で、成城みつ池緑地の公開エリアにあります。洋室の寄木張りの床は、部屋によって異なるデザインにするなど、凝った造りになっています。終戦後は、一時進駐軍(GHQ)に接収されていました。昭和36年(1961)、画家で南画院(現特定非営利活動法人南画院)の代表として活躍した山田盛隆氏(雅号・耕雨)が購入し、住まいとしました。購入してからは水周りを除きほとんど改築されず、当時の設計意匠が維持されています(区指定有形文化財)。
開園時間/9時30分~16時30分
休園日/月曜日(休日の場合はその次の平日)、年末年始
入園料/無料
※詳しくは、ホームページをご確認ください。
食堂(手前)と居間(奥)
庭の展望デッキ
2階の日本間
2階に展示されている旧山田家住宅で使われているフランス瓦
⑩成城五丁目猪股庭園
世田谷区成城5-12-19
回遊式の美しい日本庭園
旧猪股邸は、労務行政研究所の理事長を務めた故・猪股猛氏の邸宅として建てられました。主屋は、文化勲章を受章した建築家・吉田五十八氏の設計によるもので、武家屋敷風の趣ある数寄屋造りの名建築。南側開口部では雨戸、網戸、ガラス戸、障子戸などを、すべて引き込み戸として開放的な空間を作りあげるなど、吉田流の近代的数寄屋といわれるデザインが数多く施されています。
開園時間/9時30分~16時30分
休園日/月曜日(休日の場合はその次の平日)、年末年始
入園料/無料
※詳しくは、ホームページをご確認ください。
生垣に囲まれてゆったり佇む邸内は、アカマツをはじめ多くの樹木が植えられています。居間に面した一帯にスギゴケが生えているなど、美しい日本庭園になっており、苔庭以外の部分は散策を楽しめます。
庭にせり出すように設計された書斎から望む庭園
居間から苔庭を眺められます。
茶室
吉田五十八の建築作品展示室。五島美術館や大和文華館、成田山新勝寺大本堂などを設計したことでも知られている吉田氏が手がけた主な建築の写真と猪股邸の図面が展示されています。
⑪樫尾俊雄発明記念館
世田谷区成城4-19-10
世界を席巻した発明品を展示
カシオ計算機の創業と発展を兄弟とともに支えた発明家・樫尾俊雄氏の自宅の一部が発明記念館として公開されています。趣の深い洋館風造りで、内装や建材など細部にわたって俊雄氏の「思い」が組み込まれています。歴史にその名を刻んだリレー式計算機をはじめ、カシオミニ、カシオトロン、カシオトーン201など、日本のエレクトロニクス産業の発展に貢献した画期的な発明品の数々と、それにまつわる貴重な資料などが、5つのテーマに沿って展示されています。すでにあるものを改良するのではなく、どこにもなかったものを新しく創造する。「0から1を生み出す」ことを発明哲学にしていた樫尾俊雄氏のこだわりが凝縮されたミュージアム。
開館日・時間/公式Webサイトでご確認ください(完全予約制)
入館料/無料
※詳しくは、ホームページをご確認ください。
館内をめぐりながら担当者から説明を受けます。
鷲のステンドグラス
玄関のステンドグラスに描かれた鷲は樫尾俊雄氏自身を表しているといわれます。
数の部屋
樫尾俊雄氏の開発思想を受け継ぎ、後継者たちが進化させた電卓を展示しています。
カシオミニ。一課に一台といわれた電卓を、一家に一台、一人に一台に。電卓の歴史を変えました。
音の部屋
多くの人たちに音楽演奏を楽しんでもらうために開発した電子キーボードやデジタルギター、電子管楽器などを展示しています。
カシオトーン201。カシオの電子楽器は「カシオトーン201」から始まりました。
時の部屋
エレクトロニクス技術を駆使し、独自の進化を遂げてきた数々の時計を展示しています。
日本を代表する時計ともいえる「G-SHOCK」。1号機や「国際イルカ・クジラ会議記念モデル」(写真左)など多数のモデルが見られます。
発明の部屋
樫尾俊雄氏が兄弟とともに発明した世界初の小型純電気式計算機「14-A」を展示しています。
計算機「14-A」。機能・演算速度・静かさで高い評価を得た「14-A」は、国立科学博物館やアメリカのスミソニアン博物館にも収蔵されています。
創造の部屋
発明のために、樫尾俊雄氏は寝食を忘れてこの部屋にこもったそうです。
指輪パイプ。仕事をしながら吸えるように、考案した「指輪パイプ」は大ヒットし、後の計算機開発の資金として役立ちました。
⑫成城四丁目 発明の杜市民緑地
名称は故・樫尾俊雄氏の自宅の庭だったことに由来しています。崖線の地形と元からあったマツやコナラなどの大木を活かしながら配置された崖線庭園。崖線の上と下で異なる雰囲気があり、手入れの行き届いた樹木や苔、天を仰ぐような大木なども見どころの1つです。「みんなの暮らしに役立ってこそ発明だ」と言い続け、この庭園や自然をこよなく愛した故人の遺志を親族が引き継ぎ、市民緑地として地域に残し公開することとなりました。
緑地から見た樫尾俊雄発明記念館
世田谷みやげ
2006年に誕生し今年で18年目を迎える「世田谷みやげ」は、世田谷にゆかりのあるお店自慢の逸品を募集し、「世田谷みやげ」として指定しています。世田谷の魅力がつまった100を超える素敵な商品が揃っています。
最新版は、こちらでご覧いただけます。
成城一丁目駐車場
所在地: 世田谷区成城一丁目20番
駐車台数:8台
料金:8時~20時 15分200円、20時~8時 60分100円、入庫後24時間 最大1,800円
※最大料金繰り返し有り
備考:駐車可能車両長さ5.0m以内、幅1.9m以内