いよいよ夏の到来です! ギラギラ輝く太陽に負けず、魅惑のプチトリップに出かけてみませんか。今回は東京の海とビーチを楽しめるお台場を目指します。
スタートの田町駅に海の雰囲気はありませんが、東口からなぎさ通りを進むと、景色が徐々に変わってきます。この周辺は運河が多く、汐彩橋を渡る頃には海を近くに感じることができるでしょう。
やがて目の前にレインボーブリッジが見えてきます。芝浦地区とお台場地区を結ぶこの橋は、1987年の着工当時は東京港連絡橋と呼ばれていました。開通は1993年。当時・東日本最長だった798mの吊り橋は通行料なしで歩いて渡れます(4~10月は9~21時、11~3月は10~18時)。遊歩道の入口は芝浦アンカレイジ内にあり、まずはエレベーターで橋の上まで一直線。今回はサウスルートを進みましたが、高層ビル群を眺めたい方はノースルートを選択すると良いでしょう。
1.7㎞の遊歩道は荒天・強風時の通行が不可となるだけに、天気の良い日も心地良い風が吹き込んできます。夏でも「涼」を感じられますよ。
サウスルートからは1854年(安政元年)に完成した第六台場、お台場のシンボルとなっているフジテレビ本社ビル、晴天なら富士山も望むことができ、なかなかの絶景です。
橋を下りれば、お台場海浜公園。ビーチが広がっており、右手に海を眺めながら走ることができます。木々も多いので、日差しが強い日は木陰を選ぶと良いでしょう。やがて左手に自由の女神像が見えてきます。潮風公園は緑が多いだけでなく、バーベキュー場や噴水広場もあるので、ウォーキングをしていてもワクワクした気分になれますよ。
客船のかたちをした船の科学館(本館)は現在、公開していませんが、別館と屋外展示場は無料で見学可能です。本日のゴールは南極観測船「宗谷」になります。1938年に耐氷型貨物船として建造され、太平洋戦争を経験。1956年からは日本初の南極観測船として活躍しました。10~17時まで開館しているので、「保存募金」に協力して、ぜひ船内見学を! これが結構、楽しいんです。
太陽、風、海。それから歴史を感じられる今回のコースは約6㎞。爽やかな汗をかいて、気分もリフレッシュ。熱中症には注意しましょうね。
汐彩橋の橋柱はレインボーカラー
運河も間近に見える
1993年に開通したレインボーブリッジは、橋長798m、海面からの塔の高さ126m。上層は首都高速(高速11号台場線)、下層は一般道(臨港道路)、遊歩道、臨海新交通システム(ゆりかもめ)が走る構造になっています。
レインボーブリッジの遊歩道「レインボープロムナード」
開場時間/9時~21時(11月~3月は10時~18時)
休業/第3月曜日、祝日にあたる時はその翌日。悪天時は休み。
遊歩道のすぐ脇を〝ゆりかもめ〟も走っています。
南側遊歩道(サウスルート)から望む第六台場と鳥の島
潮風公園
お台場海浜公園の延長約800mの人工の砂浜・おだいばビーチ。白い砂浜は伊豆諸島の神津島の砂が使われています。
お台場海浜公園にある自由の女神のレプリカ。高さは台座を除いて約11mで、ニューヨークの7分の1サイズです。
南極観測船「宗谷」1979年から、船の科学館前に係留され保存展示されています。
酒井政人(さかい・まさと)
スポーツライター。1977年、愛知県生まれ。東京農業大学1年時に箱根駅伝10区出場。その経験を生かして、現在は『Number WEB』『PRESIDENT Online』など様々なメディアに執筆中。またランニングクラブも主催している。著書に『ナイキシューズ革命 “厚底”が世界にかけた魔法』(ポプラ社)、『箱根駅伝ノート』(KKベストセラーズ)など。