暑い日は出かけたくないですね。でも気持ちよく走れる特別なルートがあるんです。今回は〝涼〟を感じられる水辺のコース(約5㎞)を紹介します!
スタートは永代橋。最寄駅である「茅場町」と「門前仲町」からは800mほどでしょうか。永代橋の真ん中から佃島方面を眺めると、ニョキニョキッと天に伸びた高層ビル群が迎えてくれます。ただし向かうのは逆方向。スカイツリーが見える方角に進みます。
ここでひとつ注意点。隅田川は右側を走りましょう。日が高くなるまでは、ほぼ日陰になるからです。
上流に向かって進んでいき、隅田川大橋と清洲橋を通過。その後は小名木川を渡るために少し迂回しますが、隅田川に戻ったら清洲橋をもう一度見てみましょう。ドイツのライン川に架けられた吊り橋をモデルにしていることもあり、「ケルンの眺め」を楽しめます。
新大橋を過ぎて両国橋付近に来ると、「大相撲」の雰囲気に。右側の壁には江戸の1年を表した浮世絵があり、川の手すりには相撲の「決まり手」四十八手のレリーフが飾られているんです。
隅田川には屋形船も停泊しており、江戸情緒もバッチリ。いい感じです。
蔵前橋に続いて、厩橋を過ぎると、隅田川の水位よりも高い場所に水路が出現。風車や手押しポンプで隅田川の水をくみ上げるようになっています。
水辺をよく見るとモクズガニが結構いるんです。彼らのためにも手押しポンプで隅田川ウォーターをプレゼントしてあげましょう。
青い駒形橋をくぐったらゴールは近いです。赤い吾妻橋を渡って、浅草寺方面に向かいます。早朝の浅草は観光客も少なく、雷門での記念写真も独り占めできるでしょう。
ちなみに浅草寺は24時間参拝が可能ですが、本堂の開堂時間は朝6時(4〜9月)。一方、仲見世通りのお店は9〜10時の開店が多いので、観光する場合はうまく時間を調整するといいでしょう。
実はこのコース、朝だけじゃなく、ナイトランも素敵なんです。隅田川に架かる橋は日没15分後から23時までライトアップされており、昼間とはまったく違う幻想的な景色を楽しむことができます。
朝と夜。涼を求めて隅田川沿いを走ってみませんか。
ゴールは約1400年の歴史を持つ浅草寺の総門の雷門。正式名称は「風雷神門」という
厠橋からは近くに屋形船を見ることができる
相撲の「決まり手」四十八手のレリーフ
吾妻橋
駒形橋
清洲橋(国指定重要文化財)から望む東京スカイツリーⓇは圧巻
手押しポンプとモクズガニ
永代橋(国指定重要文化財)の中ほどから見える佃島の高層ビル群
酒井政人(さかい・まさと)
スポーツライター。1977年、愛知県生まれ。東京農業大学1年時に箱根駅伝10区出場。その経験を生かして、現在は『Number WEB』『PRESIDENT Online』など様々なメディアに執筆中。またランニングクラブも主催している。著書に『ナイキシューズ革命 “厚底”が世界にかけた魔法』(ポプラ社)、『箱根駅伝ノート』(KKベストセラーズ)など。