撮影協力/新宿区
案内人/新宿区区政情報課広報係/山田郁也さん、林原愛実さん
西新宿エリアを楽しむ!
東京都庁をはじめ、オフィス街、ホテルなどの超高層ビルが林立し、
商業施設も充実しめざましい発展を遂げている西新宿エリア。
この辺りは明治、大正、昭和と大震災や戦争を経て、
約70年近く都民の生活を支えてきた淀橋浄水場があった所でした。
昭和35年(1960)、新宿副都心建設が計画され、
淀橋浄水場と周辺の96haという広大な地域が再開発されるという、
日本で初めての画期的な大事業がスタートしました。
今回は、その事業計画の一環として昭和43年(1968)に開園した
新宿中央公園と周辺の散策を楽しみましょう。
新宿中央公園
新宿区立の公園として最も広い面積を誇る新宿中央公園には「東」、「西」、「北」の3つのエリアがあります。超高層ビル群に囲まれた広々とした公園は、豊かな自然に恵まれ、四季折々の花木が様々な表情を見せる都会のオアシスです。さらに今後、レストランやカフェ、スポーツジムなどが建設される予定で、ますます魅力的な公園になっていきます。
北エリア
新宿ナイアガラの滝
豪快な水しぶきをあげて流れ落ちる滝は見る人を魅了する公園のシンボル。その前に広がる水の広場では、年間を通して様々なイベントが開催され、多くの人で賑わいます。ナイアガラの滝の裏側には、新宿白糸の滝があります。
新宿白糸の滝
平和の鐘
昭和62年(1987)8月、発展する新宿と地球の平和を願うシンボルとして芝生広場に設置されました。高さ10mのステンレス製で12個のカリヨンが10時、12時、15時、17時に奏でられます。
久遠の像
江戸城を築いた太田道灌の有名な故事を題材にした「久遠の像」。狩りに出かけた帰りに急な雨にあった道灌が一軒の民家により「蓑を貸してほしい」と頼むと、出てきた娘が黙って一輪の山吹の花を差し出します。それを理解できずに怒った道灌は立ち去り、あとから歌道に明るい部下が兼明親王の歌「七重八重 花は咲けども 山吹の 実のひとつだに なきぞかなしき」実の=蓑 をかけて、貧しいために蓑も貸せないことを、山吹の花を差し出すことで訴えたのではないかと説明しました。和歌の知識がなかったことで庶民の気持ちを理解できなかったことを恥じた道灌は、その後、歌道にも精通し文武両道の武将になったというエピソードです。
エコギャラリー新宿
1階に区民ギャラリー、2階に環境学習情報センターを併設した新宿区の複合施設。開館時間/10時~21時(区民ギャラリーは10時~18時)☎03-3348-6277
2階の環境学習情報センター
ソーラースタンド
区民の森
緑豊かな空間・ランチコーナーは、訪れる人の憩いスペース。
六角堂
公園内で最も高い富士見台の上に旧淀橋浄水場の洋風東屋・六角堂があります。現存する貴重な文化遺産として新宿区の地域文化財に認定されています。
富士見台
西エリア
子どもに人気のブランコやすべり台などの遊具がある「ちびっこ広場」があり、いつも子どもたちの歓声につつまれています。その隣には、夏に水遊びができる「ジャブジャブ池」があります。
東エリア
一番小さいエリアで大人が楽しめる多目的運動場になっています。
フットサル専用コート
新宿区立公園初のフットサル専用コート。公営施設なのでリーズナブルで利用しやすいです。フットサル施設にはロッカーと温水シャワーも完備。この他に、バスケットボールやジョギングなどが楽しめます!
新宿十二社(じゅうにそう)熊野神社
新宿中央公園に隣接する熊野神社は、新宿の総鎮守として知られています。室町時代に創建され、紀州の熊野三山から十二所権現を移し祀ったものと伝えられています。 江戸時代には熊野十二所権現社と呼ばれ、八代将軍・徳川吉宗が鷹狩の際、参拝するようになり、滝や池のある風景は西の郊外の景勝地として知られるようになり、周りに多くの茶屋ができて賑わいました。 かつて十二社には、いくつかの滝があったと伝えられ、そのうち十二社の大滝は、二代歌川広重の錦絵や「江戸名所図会」にも描かれています。 熊野神社の西側、十二社通りをへだてて建つビルの辺りに、江戸時代初期に田畑の用水溜めとして開発された大小2つの池がありました。
神輿蔵
神社の宮神輿(大神輿)と氏子組織・睦の町神輿(大人神輿と子ども神輿)が保管されています。
十二社の碑(新宿区指定史跡)
十二社の地が、池や滝がある風光明媚な景勝地であることを記した記念碑。江戸時代の末期に建てられました。
十二社弁財天
角筈胡桃下稲荷神社
大田南畝(おおたなんぽ)の水鉢(新宿区指定有形文化財)
江戸時代後期に奉納された水鉢で、狂歌師として有名な大田南畝(蜀山人)の書による銘文が刻まれています。
狛犬
江戸時代中期に寄進された本殿の裏にある末社大鳥三社の狛犬。
大鳥三社
淀橋庚申堂(こうしんどう)
十二社通りから少し入った西新宿の住宅街の一角に佇む淀橋庚申堂は、地域の人たちに「庚申さま」と呼ばれ、大切にされてきました。江戸時代中期に造られた庚申堂は、戦時中の空襲で焼け、昭和29年(1954)に建て替えられました。邪気を払うご利益が期待される青面金剛立像(しようめんこんごうりつぞう)、浮き彫りされた三猿は中央の正面を向いた「いわざる」を挟んで、左の「きかざる」、右の「みざる」が向き合っています。
成子天神社
青梅街道沿いにあり、学問の神・菅原道真を祀っています。千百年を超える歴史を持つ由緒ある「天神様」は、西新宿のパワースポットとして注目され、若い参拝者も多く訪れます。
力石(新宿区指定有形 民俗文化財)
本殿の前にある七つの卵型の石で、大祭の時に力比べに使われました。石には持ち上げた人の名前が彫られています。
富士塚(新宿区指定有形民俗文化財)
大正時代に富士山の溶岩を運んで築かれた、高さ約12mの富士塚。登るとかなり急坂ですが、パワースポットとして知られています。
境内で七福神巡り
(左から)大黒天、弁財天、恵比寿
七福神を巡ると七つの災難から逃れられ、七つの幸せを授かるといわれています。
境内で七福神巡り
(左から)毘沙門天、福禄寿、寿老人、布袋和尚
※掲載データは令和2年4月27日現在のものです。