No.60 INDEX

YR-MAG No.60

TR-MAG.

2020 SUMMER

N0.60

毎回、ゲストの方に
これまで歩いてきた道(人生)、
これから歩いてみたい道について
語っていただきます

山崎育三郎さん

NHK連続テレビ小説『エール』で佐藤久志役を演じ、その圧倒的な歌唱力と存在感で全国のファンを魅了している山崎育三郎さん。活躍の場はミュージカル俳優の枠を越え、エンターテイナーとして様々な分野に広がっています。

僕は小学校の6年間、地元の少年野球チームに入っていました。6年生の時、全国大会に出場してベスト8になり、将来は〝プロ野球選手になりたい〟と思っていました。なのにどうして歌手になったのか。『エール』の久志からは想像がつかないと思いますが、子どもの頃の僕は人前が苦手で、母の後ろにいつも隠れている子でした。転機は『アニー』を観たことです。その時に買ってもらったCDに合わせて歌う僕の声を聴いて「歌で自信をつけさせたい」と母にすすめられ、小学校3年生から音楽教室に通い始めました。

12歳で、小椋佳さんが企画した作品のオーディションに合格して主役としてデビューしました。僕以外は劇団に入って芝居を勉強していたり、僕が観た『アニー』の主役をやった子までいました。誰よりも上手くできなくて、先生に毎日怒られて、本当にハードでした。でも、半年の稽古を乗り越え迎えた初日、カーテンコールでお客様にご挨拶をした時、今まで経験したことのない、全身に鳥肌が立つような感動がありました。その瞬間「これをやっていきたい!」と思ったのです。

中学校3年生で声変わりをしてから、オーディションは落ち続け、居場所がなくなったようで落ち込みました。16歳で留学したのも英語を学ぶだけでなく、自分を変えたかったのかもしれません。また海外経験でたくましくなった兄二人にも刺激を受けていました。長兄の「都会は日本人同士で話すから英語を学べない。とにかく田舎に行け」とのアドバイスでミズーリ州の田舎町の高校に留学しました。この時に〝自分が変わらないと何も変わらない。自分から一歩を踏み出すこと〟の大切さを実感しました。

子どもの頃からの夢だった『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』『モーツァルト!』『エリザベート』に29歳までに出演することができました。映像の世界に飛び込んだのは僕を育ててくれたミュージカル界へ恩返しをしたい、ミュージカルの輪を広げたいと思ったからです。これは、冒険でしたが、アメリカでの経験があったから、一歩を踏み出すことができたのです。ドラマ視聴率が20%超という『下町ロケット』に出演したのをきっかけに様々なドラマや音楽番組に出演させていただいています。8月スタートの『私たちはどうかしている』への出演も、その結果だと思います。このドラマは、主役を見守るミステリアスな役柄で、衣装は全て和服。日本舞踊も勉強し、稽古を重ねています。

今コロナ禍で、僕も自宅待機をしていました。そんな時に上山竜治君から電話があり、ミュージカル俳優として何かしたいという話になりました。「全国の人にエールを届けられないか」と話をしているうちに、民衆が立ち上がりみんなで乗り越えようという『レ・ミゼラブル』の『民衆の歌』を歌うことで日本に元気を届けようということになったのです。賛同したミュージカル仲間がリモートで参加してくれました。新しいことへのチャレンジは大変なこともありますが、沢山の方に聞いていただけたのは嬉しいです。一歩を踏み出した先に、必ず新しい世界が広がると思っています。

草野球チームを作って監督兼マネージャー、選手をしています。「野球をしよう!」と声をかけたら集まってくれた仲間です。メンバーは野球が好きな地元の友だちやヘアメイクさん、衣装さん、ドラマのスタッフさん、舞台関係者です。今はコロナ禍でできませんが、グラウンドを借りてみんなでいい汗をかいています。とにかく運動が好きなので、野球やゴルフで気分を切り替えてリラックスしています。

やまざき・いくさぶろう

1986年1月18日生まれ、東京都出身。  2007年にミュージカル『レ・ミゼラブル』のマリウス役に抜擢されて以降、数多くの舞台に出演。主な出演作品は『モーツァルト!』『エリザベート』『プリシラ』など。2015年にTBS系ドラマ『下町ロケット』に出演して注目を集めるようになり、その後も多数のテレビドラマに出演。『美女と野獣』の実写版映画では、野獣の日本語吹替も担当した。現在、NHK連続テレビ小説『エール』に、主人公の幼なじみ・佐藤久志役で出演中。また、日本テレビ系 夏の水曜ドラマ『私たちはどうかしている』では主人公七桜のピンチを救う謎の男・ 多喜川薫役で出演予定。

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