例年3月上旬に開催される東京マラソン。コロナ禍前の一般倍率は10倍を超えたほどの〝プレミアチケット〟になっています。走りたくても、走れない。市民ランナー憧れの大会です。それでも公道を走るだけで、誰でも気分だけは味わうことができるんです。今回は東京マラソンの28・9㎞地点から33・9㎞地点までの約5㎞とラスト約1㎞のトータル約6㎞。終盤の華やかなコースを楽しみたいと思います。もちろんウォーキングでもOKですよ。
スタートは浅草橋駅。JRなら東口です。まずは江戸通りを東日本橋方面へ。このあたりは下町情緒あふれるエリア。神田川は屋形船がいい感じです。清洲橋通りに入ると、左手には明治座が見えてきます。浜町中ノ橋の交差点を右折して新大橋通りを進みましょう。ほどなくすると安産祈願で有名な水天宮です。2016年に御造替が完了して、境内が一新しました。2018年には江戸鎮座200年を迎えています。茅場町の交差点を右折して、永代通りを進み、今度は日本橋の交差点を左折。中央通りに入っていきます。ここは東京マラソンのコースでも最も賑やかなエリアといえるでしょう。日本橋高島屋など老舗百貨店ゾーンを過ぎると、さらにきらびやかな銀座エリアです。ハイブランドショップが立ち並んでおり、ワクワクしちゃう方もいるかも。
そして銀座四丁目交差点を右折します。その際は銀座の象徴、和光の時計塔を見上げてみましょう。取材に訪れた日は期間限定のミッキーマウスのスペシャルデザインでした。タイミングが良ければ、鐘の音を聴くことができます(SEIKO HOUSE GINZA営業中の毎時0分)。
晴海通りを有楽町方面に進み、数寄屋橋、JRのガード下を通過。本来は日比谷通りを左折して、田町を過ぎたあたりでUターンしますが、この部分は割愛。先に右折して、東京駅前のゴールを目指します。丸の内仲通りは街路樹が美しく、ラグジュアリーな雰囲気。東京マラソン本番では最後の力を振り絞る苦しい場面ですが、ぜひアート作品も楽しんでほしいな。
赤レンガの東京駅丸の内駅舎が見えたら、〝ラストスパート〟です。行幸通りを左折してフィニッシュ。本番をイメージして、笑顔とガッツポーズをお忘れなく!
浅草橋駅
浅草橋から望む神田川。両岸には屋形船が係留されています。
安産祈願で有名な水天宮。発祥は九州の久留米藩(現在の福岡県久留米市)で、文政元年(1818)に9代目久留米藩主の有馬頼徳公が、久留米水天宮の御分社を三田赤羽の有馬藩邸に建てたのが、東京の水天宮の始まりです。
日本橋エリア / 明治座
銀座エリア
銀座のシンボルとなっている和光の時計塔。地上から時計塔まで高さは39.39m(屋上までの高さ:30.30m、時計塔の高さ:9.09m)です。
ゴールは東京駅前の行幸通り。この通りの正式名称は「東京都道404号皇居前東京停車場線」。普段は通行止めになって、皇室の公式行事や外国大使の信任状捧呈式の馬車列が東京駅から皇居に向かう時だけ使われます。
酒井政人(さかい・まさと)
スポーツライター。1977年、愛知県生まれ。東京農業大学1年時に箱根駅伝10区出場。その経験を生かして、現在は『Number WEB』『PRESIDENT Online』など様々なメディアに執筆中。またランニングクラブも主催している。著書に『箱根駅伝は誰のものか』(平凡社新書)、『ナイキシューズ革命 “厚底”が世界にかけた魔法』(ポプラ社)など。