No.83
2026 SPRING

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髙橋佑太

「つくる・まもる・活かす」を支える現場の
お仕事をクローズアップ!

「TR-mag」83号「みちの仕事人 第1回」

東京都道路整備保全公社で実際に働く方に、
インタビューするこの企画。
第1回は無電柱化事業を担う髙橋さん。
そのお話からは、仕事のやりがいや東京への愛情が感じられました。
撮影/須藤敬一 取材・文/衛藤理絵

PROFILE

道路部多摩みちづくり推進課
多摩南部地中化工事事務所長
髙橋佑太 1982年生まれ。「都市防災機能の強化」「都市景観の向上」「安全で快適な歩行空間の確保」するための無電柱化推進事業に携わり、工事の進捗や安全性管理を行う監督を担当している。プライベートでは2児の父。

長期にわたる無電柱化の仕事は多くの人との連携が欠かせない

無電柱化(電線類地中化)事業は、みちをキレイにして歩きやすくするだけでなく、災害時の安全も高める取り組み。地中に埋めると聞くとシンプルに感じるかもしれませんが、電力や通信などの会社と連携し、交通、地域住民の方々に配慮しながら進めるため、とても時間がかかるのだそう。

「1か所(500mほど)の無電柱化に約7~8年かかるんです。工事する地区が決定したら、まず設計図を作るところから。どこに電線があり、どう埋めるかを図面に起こしていくんですが、この作業だけで数年を要します。その後、電線共同溝設置工事をするのに数年、さらにケーブルの入線工事をして、やっと電柱・電線の撤去ができるんです。私が今担当しているのは、設置工事の部分。計画通りに進んでいるか、安全に作業できているかをチェックしながら、社内&工事事業者の方と連携を取って現場を監督します」

綿密な図面をもとに計画を練りに練って進めるそうですが、実際作業をしてみると思わぬ事態が発生することも…。

「掘ってみたら意外なところにケーブルが埋まっていたり、近隣の方から工事に対する要望が舞い込んだり、工事計画を急きょ変更しなくてはいけなくなることもあります。そんなときは現場に急行し、工事事業者の方や現地住民の方とコミュニケーションを取りながら、調整をかけていきます」

地道で骨が折れる上に、一筋縄ではいかない無電柱化事業。しかし、髙橋さんはこの仕事を心から愛していると話します。

「昔から人の暮らしを支える公共事業に興味があり、東京都道路整備保全公社に入社する前は、全国の橋を作る仕事をしていました。ただ家族ができて、全国転勤の可能性のある橋梁事業と家庭の両立に悩み、転職を考えたんです。そこで出会ったのがこの仕事。東京の公共事業に携われるというのは、自分も暮らす場所だけに、やりがいをより強く感じられ、仕事にもさらに熱が入ります。それに、家族との時間も確保できるようになって、ワークライフバランスが整いました。休日だけでなく、平日も家族と食卓を囲める。それが幸せですね」



まちの人の笑顔が見られることが仕事を進める大きな原動力

仕事にやりがいを感じる瞬間を聞いてみると、髙橋さんからこう返ってきました。

「以前、東京大神宮近くの大神宮通りの無電柱化を担当していたんですが、通りかかった住民の方が『すごくキレイになってうれしい』と話しかけてくださったんです。インターロッキングブロックを石畳風に敷き詰め、こだわって工事したので、やってよかったと心から感じた瞬間でした。無電柱化事業では、安全でキレイな道を長く保てるようにも配慮しているんですよ。たとえばブロックを使う際、歩行者も車も通る部分は、衝撃に強いものに置き換えながら景観と調和するように調整しています。東京のみちを歩いていて無電柱化されているところに出合ったときは、足元にも少し注目してもらえたら、とてもうれしいです」

1.電線共同溝を設置するために開けた穴を確認中。施工業者の方と一緒に、丁寧にチェック。 2.工事状況を見守る髙橋さん。通行者の方の安全に気を配るのも大事なお仕事。 3.作業に欠かせない綿密な設計図。その分厚さは、なんと5㎝以上!

朝は早起きして混雑を避け、余裕を持って仕事を開始。退勤後、仕事に役立つ本を買ったり読書するのが日課です。休みの日は、運動好きな子どもと公園で体を動かしています。

髙橋さんに聞いた仕事にまつわるQ&A

Q. 仕事での座右の銘は?

A.『素直な心、謙虚な態度、感謝の気持ち』

「これはタレント・森脇健児さんの名言。多くの人と関わる仕事だからこそ、素直に謙虚に、感謝することを忘れないようにしています」

Q. 元気に働くためにしていることは?

A.『散歩&ストレッチ』

「現場を行き来し、デスクワークもしっかりこなすには体力が必要。日々ボディケアをして、健やかな体を維持するように心がけています」

Q. 意外と仕事に役立つスキルって?

A.『コミュニケーション力』

「相手の意図を理解するだけでなく、自分の意見をうまく伝えられるのも大事。学生時代に鍛えたコミュ力が、かなり仕事に活きました」

TR-mag vol.83

【表紙・背表紙】撮影/前 康輔
【背表紙】Licensed by TOKYO TOWER

What's TR-mag.?

「TR」は公社が取り組む事業の総称であり、「T」は「Tokyo(東京都)」・「Town(タウン)」を、「R」は「Road(ロード)」を象徴しています。そんな公社の使命や存在意義を、幅広い世代のみなさんに理解していただくため、都内の道をキーワードに様々な情報を盛り込み、平成17年から発行している公社発行の機関誌です。