No.85
2026 AUTUMN

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伊藤未紗

「つくる・まもる・活かす」を支える現場の
お仕事をクローズアップ!

「TR-mag」85号「みちの仕事人 第3回」

3

東京都道路整備保全公社で働く職員に、
インタビューするこの企画。
多摩川の橋梁プロジェクトを進める伊藤さん。
人との絆を大切にしながら努力する姿に心打たれました。
撮影/須藤敬一 構成/衛藤理絵

PROFILE

道路部建設課
多摩橋梁係
伊藤未紗 1998年生まれ。学生時代に土木を学び、新卒で鉄道系の会社で施工管理業務を担当。その後、東京都道路整備保全公社に転職。サウナや温泉に入ったり、韓国ドラマを観るのが趣味。お酒が好きで、週1で友達と飲むのが最近の楽しみ。

夢だった仕事で御岳小橋の架替え工事に、監督として邁進

 青梅市を流れる多摩川には、御岳渓谷遊歩道という、美しい景色が観られるハイキング道があります。そこには観光客や地元の人々が使う、御岳小橋という橋がありました。しかし2019年の台風による大水で流出。その不便を解消するためプロジェクトが立ち上がり、今まさに架替え工事が行われています。景観になじみつつ長く使えるものにしよう、そんな思いから国内では約20年ぶりとなるPC斜張橋を新設中。その工事を支えているのが、公社の道路部建設課 多摩橋梁係の伊藤さんです。彼女は、現場の監督や関係機関等との調整などを担当し、管理者である東京都などと連携して日々作業を進めています。

 「祖父が建設関係の仕事だったこともあり、子供の頃から土木関係の仕事に興味を持ち、学校もその道に進みました。前職は鉄道関連で、現場監督として約4年間働きました。その中で橋の工事に従事し『長く使われる橋の仕事に関われるのって素敵だな』と感じて。自分の人生とライフワークバランスを考えて転職を考えたとき、ふとそれを思い出したんです。それで公社の求人に応募。念願かなって入社でき、この部署に配属され、素晴らしいプロジェクトに参加することができました」



“つくる”ときも安全第一!私も人を繋ぐ架け橋になりたい

 施工者と公社が連携し、大勢の人と進めるこの工事、最も大切なことは“安全”だと伊藤さんは語ります。

「前職では施工会社、今は発注者という立場なので、まだ不慣れなことも多いですが、施工を担当したからこそ分かることがあって。安全な“みち”をつくるのはもちろん、安全につくることも大切です。そのために工程をきちんと確認するのが日課。今は、『どうしますか?』と聞かれたらすぐ答えを出せる人になりたいです。日々周りの方に教えを請い、努力しています」


 伊藤さんのように、建設の現場では女性の進出が進んでいて、監督・施工の両面で女性が活躍しているそうです。最後に、橋とはどのようなものかと伊藤さんに尋ねてみると、こう答えてくれました。

「私は、橋のことを『人と街を繋ぐもの』だと思っています。橋そのものは一定の場所を繋ぐ短い構造物なのですが、そこを人や車が通ることで、生活や仕事、観光など、さまざまな人の活動を繋ぐ大きな架け橋になるんです。だからこそ、安全に長く使い続けられるように維持していくことも大切なんですよね。公社は、橋の点検や補修にも関わっています。橋の施工・補修は土木の中でも専門知識と技術が求められる仕事。私もまだまだ勉強中ですが、完成したものが長く残り、自分が関わったものを実際に街で見ることができるというのが醍醐味だなと感じますね。頑張った分だけ誇らしい気持ちになれるという話は、部署の方からよく聞いているんです。御岳小橋が無事に出来上がったら、私もきっと大きなやりがいを感じられる…そんな予感がひしひしとしています!」

お仕事DAY SCHEDULE

06:00 起床して身支度をする
07:30 家を出て、職場へ
08:30 出勤。メールや予定の確認
09:00 社内打合せの後、資料をチェック
10:00 設計資料や工事関係資料の確認
12:00 お昼休み
13:00 関係機関や施工会社との打合せへ
15:00 現場へ。状況確認・工事監督をする
16:00 資料を整理し、今後の工程を改めて確認
17:15 退勤
18:00 友人と食事へ! おいしいお酒もいただく
21:00 帰宅。家事を終わらせ、お風呂&自由時間
23:30 就寝

1.施工者の担当者と、土台となる橋台の長さを測量中。 2.上から見た御岳小橋の完成予想図。Y字の部分の土台をつくった後、対岸に向けて、橋桁の架設を進めるそう。 3.測量用の大きな巻き尺などを使って念入りに。 4.多摩橋梁係は全5名の橋のエキスパートが揃う少数精鋭チーム。和気あいあいとした雰囲気でした。

現場で気づいたことを書きとめるメモ帳は必ずバッグに。外出が多いので、日焼け止めも欠かせません。韓国で人気のザクロゼリーは、仕事の合間に食べるちょっとしたご褒美。

伊藤さんに聞いた仕事にまつわるQ&A

Q.仕事での座右の銘は?

A『一歩一歩、着実に』

「どんなことでもひとつひとつ経験を積み重ねていくことが大事。そうすれば、必ず自分の力になっていくと思って、日々邁進しています」

Q.元気に働くためにしていることは?

A.『温泉にお出かけして、リフレッシュ!』

「サウナや温泉は、私の癒やしであり、ボディケアのひとつです。近場に行くことも多いですが、遠方の有名温泉に旅行で行くことも」

Q.「お仕事あるある」を教えてください!

A.『橋の補修跡や道路の舗装をついつい探してしまうこと』

「細かい部分が気になって立ち止まってじっくり見てしまいます。ちなみにリベット(留め具)を使っている橋は比較的古いんです」